親米と反米―戦後日本の政治的無意識 (岩波新書 新赤版 1069)
親米と反米―戦後日本の政治的無意識 (岩波新書 新赤版 1069)
副題まで読まないと誤解しそうになるのだが、これは「日本」論の本であって「アメリカ」論の本ではない。近現代の日本において「アメリカ」がどのような意味を持ち、そのような存在であったのか、という切り口から論じられた「日本」論であるから、他の期待を持ちながら本書を手に取った読み手にとっては、いささか肩透かしになるかも知れない。 内容的には、近現代日本社会に興味を持つ者であれば一読の価値のある分析が詰まっている。そういう意味では評者としても他人に薦められる本である。 ただ、カルチュラルスタディーズで知られた著者ならではの小難しい言い回しについては、「もう少し別の言い方もできように…」と思わないではない。とは言え、その他の部分にも本書の価値はあると思うので、訳わからんところは適当に流しつつ読んでも構わないだろう。必要であれば後で読み返せばいいだけのことである。
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